”カンピオン講座2012”

2016年9月 5日 (月)

 「フォーカル・ジストニアについて、イザベル・カンピオンへの6つの質問」 (2012年11月14日の記事)

フォーカル・ジストニアについて、あまりよくお分かりでない方の為に、2012年11月14日の記事 「フォーカル・ジストニアについて、イザベル・カンピオンへの6つの質問」 を再度掲載いたします。

上記の記事には、”的確かつ簡潔なコメント参考になります。”というコメントをいただいております。

・記事の内容は変更しておりませんが、4年が経過した今日では、日本でも、フォーカル・ジストニアが疑われる場合には、神経内科の受診が勧められるようになりました。

元の記事は、こちらです。↓
http://paris-tokyo.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-081f.html


「フォーカル・ジストニアについて、イザベル・カンピオンへの6つの質問」

「フォーカル・ジストニア」って、どんな症状なのか、ご存じでない方、是非、こちらをお読みください。

演奏をされる方、そして、指導される方には是非とも知っていただきたいことです。

「フォーカル・ジストニア」のお話をすると、「ああ、腱鞘炎みたいなものね。」とおっしゃる方が多いのですが、全く違います。

次に多いお答は、「気持ちの問題でしょ?」
これも誤解です。

「指が巻いちゃうものね。」とおっしゃる方もありました。
これは、形としては、「フォーカル・ジストニア」の1つの出方ですが、「指が巻いてしまうこと」には他の原因も考えられます。
或る状況で「指が巻いてしまうこと」が起こる場合は、「フォーカル・ジストニア」であることが疑われます。

ということで、私がイザベル・カンピオンに投げかけた6つの質問を、こちらに書いてまいります。

*尚、この質問と答は、2010年7月18日のものです。

1, フォーカル・ジストニアとは何ですか?

楽器に対しての動作(ジェスチャー)を上手くコントロール出来なくなってしまう脳の混乱。 日常生活では問題がなく、楽器に対してのみ問題が起きるのが特徴である。
腱鞘炎などと違って痛みを伴わず、鍵盤楽器・弦楽器の場合は手に、管楽器の場合は口唇と手に現れる。

・腱鞘炎等と違い、痛みは伴いません。
・気持ちの問題ではなく、脳の混乱なのです。

2, フォーカル・ジストニアになると、まず最初にどういった症状が表れますか?

最初は、「何だか変だな」という程度の違和感しかない。
今までは考えずとも当たり前に出来たスケールやトゥリルが出来なくなるという状態になる。
そういった状態を練習で悪化させてから診察を受けるケースが殆どなので、フォーカル・ジストニアの患者に訊くと、「そういえば前(半年前、1年前、それ以上)からいやな感じがあった」と答えることが多い。

・オケの本番の最中に突然演奏が出来なくなったという例もあるそうです。

3, 自分がフォーカル・ジストニアかなと思ったら、まず、どうすればいいですか?

今まで出来た事なのに弾こうとしたら弾けないという場合、弾けない原因をテクニック不足と勘違いして何度も繰り返すと症状を悪化させてしまうので、練習を中止して病院に行きましょう。
(注:フランスでは、フォーカル・ジストニアの場合は脳神経内科に行くとのことです。)

・日本の場合は、整形外科なのでしょうか?
 11月3日に行われた「日本音楽家医学研究会」でお話をされたお医者様も整形外科でした。

 
注:4年が経過した今日では、日本でも、フォーカル・ジストニアが疑われる場合には、神経内科の受診が勧められるようになりました。(2016年9月5日付記)

4,フォーカル・ジストニアの治療とは、どのようなことをするのですか?

フォーカル・ジストニアとは、本来ならば出来るものに何かが加わったこと(+α)で、出来る動作が間違った行動になってしまう状態である。
つまり、「元々の動作 +α → 間違った行動」ということである。

例えば、「スケールが弾ける動作 +α → スケールが弾けない」ということになる。

“+α”が有る限り、間違った行動は改善されないので、“+α”を取り去る必要がある。
ジストニアの治療とは、“+α”を取り去る為に、「脳に正しい動作(ジェスチャー)を教え込むこと」である。

・αが加わっていない状態での動作=正しい動作
・ということは、αが加わってしまった動作は、「αが加わった問題のある動作」ということです。

5, 生徒がフォーカル・ジストニアかなと思ったら、どうすればいいですか?

まず、生徒に何が起きているのかを感じ取ること。
症状を練習不足、テクニック不足と捉えないで理解すること。
先生の役目として「目先の目標を達成させるよりも、その生徒が一生楽器を続けられるようにしてあげること」が大事。
*目先の目標とは、入試やコンクール、コンサート等のこと。

・先生に練習不足と言われて練習をし、その結果、フォーカル・ジストニアの症状を悪化させることがあります。

年齢制限がある場合などは、生徒自身が決断しにくいところがある。
先生は、見送りや留年という選択肢があることを示し、休養を勧めることが必要。
勿論、無理に弾かせてはいけない。
診察を受けさせ、将来的に目的に向かう際に助けること。

こういった例もある。
アメリカに住む中国人ピアニストはコンサートデビューが決まっていた為、フォーカル・ジストニアの症状が出ていながらもコンサートを強行した。批評は大変良く、ピアニスト自身も満足したが、その後、ピアノが全く弾けなくなってしまった。

これが本人の希望であるならば、いたしかたないことだが、アドバイスをする立場の人がいれば、別の選択が出来たのではないかと心が痛む。

6, フォーカル・ジストニアを治療中の方への注意事項を教えて下さい。
  演奏は続けて良いのですか?

楽器から全く離れてしまうのは良くない。
自転車に乗らずに自転車をこぐ動作が出来ないように、楽器に向かいながら、脳に正しい動作(ジェスチャー)を教え込む必要がある。

脳に正しい動作を教え込む事は、非常に集中力が必要とされるので、10分が限界である。それを1日に何度もする。
・エクサイズを脇で見ていても、エクサイズに集中力が必要ということがよくわかります。

理想的なのは、仕事やコンサートなどの目の前の目的は無い状態で楽器を演奏すること。
・自分に負荷のかからない曲を選ぶことや、負荷のかからない弾き方を工夫することも、必要なこと思います。

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2014年1月11日 (土)

寛永寺にお墓参り

20140110_hakamairi_kaneiji_n1 昨日は、 私が引き継いだ母の実家のお墓(永代供養墓)と、実家のお墓とがある寛永寺にお墓参りに参りました。

1月は母方の叔父の命日、兄の命日、母の命日と続くので、ふっと寂しくなる月です。
冬の陽射しを見るにつけ、雪を見るにつけ、湧いてくる思いを「出てこないで!」と押さえつけながら、この季節を過ごしていましたが、今年になって、少しずつ「思い出を思い出せるようになってきている」ことを感じます。

母の実家のお墓は、寛永寺本堂の裏手の光明閣ですが、実家のお墓は、言問通りを日暮里側に渡った谷中霊園側。
家のお墓の近くには花屋さんが無いので、光明閣の脇の花屋さんでお花とお線香を買って、通りを渡って行きます。

渡り慣れた上野桜木2丁目の横断歩道は赤信号。
信号待ちの間に、いろんな思い出が湧いてきました。ここ数年間シャットアウトしてきた思い出が次々浮かんできます。

この言問通り、私が幼い頃はトロリーバスが通っていました、亀戸行。
そのトロリーバスの内、何本かは、この上野桜木2丁目の横断歩道の谷中側の広場でぐるっと回って、池之端に戻っていたんです。

トロリーバスがぐるっと回る広場に、京成の駅の入り口ありましたが、私は、その駅を一度も使っていない。地下に下りる階段が見えたけれど、幼かった私には暗くて怖かった記憶が・・・。
その駅の入り口にタバコ屋さんがありました。父がタバコを買いに行くときについていき、時々、アイスクリームを買ってもらったり・・・。

思い出に浸っている内に信号が変わったので、道を渡っていきました。

少し歩くと桜並木。 町内のお祭りやお餅搗きをやる場所です。
イザベル・カンピオンはお餅が好き。実家で講座をやっていた時、桜並木のお餅搗きに2回一緒に来たなぁ。彼女、寛永寺の若いお坊さん達がお餅搗きをするところを、目を見張って見ていたっけ。
20140110_hakaairi_inamura_n1 そして、左側に両親が好きだったケーキ屋さん「パティシエ イナムラショウゾウ」。
ここは、両親が元気だった時から、私が実家を相続して片付けをしていた時まで、足繁く通った店。実家明け渡しの後は、店を見るといろいろと思い出すので、お墓参りの時も顔を背けて通っていたけれど、今回は「買ってみよう!」という気になりました。

いつもとちょっと違う道から入って、お墓参り。
風が強かったので、持って歩く間に燃えそうだったお線香を供え、ペットボトルの水でお墓を清め、お花も供えました。

帰りに「パティシエ イナムラショウゾウ」で、ケーキを2個購入。
お店の屋根、きれいになってました。
お正月から「いつ行こうか?」と考え続けていたお墓参りに行ったので、すっかり安堵し、この後、ランチに韻松亭へ。

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2013年5月17日 (金)

パイパーズ6月号(382号)に、講座「フォーカル・ジストニアからの帰還 その1」 のレポートが!!

Icon_pipers_m1←5月20日発売のパイパーズ6月号(382号)に、4月2日に開催した 講座「フォーカル・ジストニアからの帰還 その1」 のレポートが載ります!!

講師は、クラリネット奏者の尾上昌弘氏。
ご自身の体験を語って下さいました。

パイパーズさんサイトの次号の案内の中に、「講座リポート/ジストニアからの帰還」と出ております。↓
http://www.pipers.co.jp/

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2013年4月 2日 (火)

講座2つ、終了!

今日は、午前中にスタッフ勉強会”アトリエ復習講座”を、午後にクラリネット奏者の尾上昌弘氏を講師とする 講座「フォーカル・ジストニアからの帰還 その1」を開催いたしました。

雨の中おいで下さった受講者の皆さま、ありがとうございました!

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2013年3月29日 (金)

スタッフ勉強会”アトリエ復習講座”にご参加の方へ

4月2日火曜日午前中のスタッフ勉強会”アトリエ復習講座”にご参加の方へのお知らせです。

開場時間は、9時50分です。

当日の服装・持ち物について
  1、エクササイズをしますので、動き易い服装(例えば、Tシャツ&パンツ)で!
2、床に寝た姿勢でのエクササイズもあります。
  各自、ヨガマット・バスタオル等の敷物をご用意ください。

日時:2013年4月2日(火)10時~12時
会場:渋谷区文化総合センター大和田 練習室3
渋谷区桜丘町23-21 山手線渋谷駅西口 徒歩5分
03-3464-3251 ホール事務室

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2013年3月 4日 (月)

講座「フォーカル・ジストニアからの帰還 その1」受講者募集開始→3月7日午前0時

2月17日の記事に書きましたように、4月2日火曜日に、講座「フォーカル・ジストニアからの帰還 その1」を開催いたします。
受講者募集を 3月7日(木)午前0時 に開始致します。

*お申し込みは、この記事内に掲載致しますURLより、「お申し込みフォーム」にて承ります。
*下記のコンセール・パリ・トーキョウのサイトにも、「チラシ」と「申し込み」を載せております。併せてご覧下さい。
http://www.concert-paris-tokyo.com/index.html

この講座の受講受付は、先着順ではありません。
受講希望の方が多い場合は、フォーカル・ジストニアに悩んでおられる演奏家の方に優先的にお席をご用意する所存でございます。

講座「フォーカル・ジストニアからの帰還 その1」

日時:2013年4月2日(火)14時~16時
会場:渋谷区文化センター大和田 練習室3
渋谷区桜丘町23-21 山手線渋谷駅西口 徒歩5分
   03-3464-3251 ホール事務室 http://www.shibu-cul.jp/
講師:尾上昌弘(クラリネット奏者)
聞き手:野瀬百合子(コンセール・パリ・トーキョウ)
受講料:2000円(定員20名)

主催:コンセール・パリ・トーキョウ  
http://www.concert-paris-tokyo.com/

*お申し込みは、こちらから↓
http://ws.formzu.net/fgen/S95563208/
*上記「お申し込みフォーム」は、3月7日(木)午前0時以前には、ご利用になれません。

<お申し込みの流れ>
上記フォームから申し込みをする。
  ↓
受講可能な場合は、3月20日頃迄にメールにて「受講決定通知」が送られてくる。
*受講不可能な場合には、通知は送られてきません。
  ↓
「受講決定通知」が送られてきたら、受講料を「受講決定通知」に記載された口座宛てに、
指定された期日迄に振り込む。
  ↓
受講料の入金に依り、受講が決定する。
*期日迄に、指定口座へのご入金が確認できない場合は、受講はキャンセル扱いとさせていただきます。

<注意事項>
1、「受講決定通知」等の連絡は、paris_tokyo97@hotmail.comよりメールでお送りします。
 
 「お申し込みフォーム」に、「連絡用アドレス」として入力なさるご自身のメールアドレスは、当方の発信アドレス(paris_tokyo97@hotmail.com)からお送りするメールを受信出来るように、ご設定ください。
特に携帯アドレスを利用しての連絡を希望される方は、メールフィルター等にご注意下さい。
*上記アドレスと連絡の取れないアドレスを「連絡用アドレス」として指定された場合、お申し込みはキャンセル扱いとなりますので、ご注意ください。
2、受講決定(受講料お振込み)後のキャンセルは、お受け出来ません。
 
3連絡事項・注意事項等は、下記のブログに掲載致します。
 http://paris-tokyo.cocolog-nifty.com/
当方より、各受講者宛ての個別のご連絡は致しませんので、必ず、ご自身でブログを確    認なさって下さい。

2月17日の記事
講座 「フォーカル・ジストニアからの帰還 その1」(4月2日) 
http://paris-tokyo.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-2e55.html

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2013年3月 3日 (日)

♪55万5千アクセス突破♪ ←6週間ほど前・・・

約6週間前に55万5千アクセス突破。 

55万アクセスから55万5千アクセスまでは、約3週間。通常よりずっと短かったです。
年末からお正月は、福袋関連記事へのアクセスが多いのです。

とはいえ、55万アクセス突破の時より、人気記事ランキングに入った福袋関連記事は少なく、3つでした。福袋以外の食べ物関連記事が3つ。
音楽関連記事は4つでした。

福袋関連記事が、第1位、第2位と、第4位。
第3位が、レストラン”ラ・ピラミッド”(ヴィエンヌ)。
第5位と第8位が、定番のパリ・オペラ座のチケット予約関連記事。
第6位は”フロマージュ・ブラン(白チーズ)もどき”の記事、そして、第7位は、仲間うちの新年会に持って行った料理の記事。
第9位は、アンサンブル・ミクストのコンサートの記事。
第10位は、定番のパリ国立高等音楽院関連記事。

人気記事ランキング

1位:思わぬところで”もへじ福袋”ゲット!(2013年)
2
位:カルディのコーヒー福袋(2013)
3
位:レストラン”ラ・ピラミッド”(ヴィエンヌ)
4
位:フォーションの福袋(2013)
5
位:パリ・オペラ座の座席表
6
位:”フロマージュ・ブラン(白チーズ)もどき”④<作り方>
7
位:新年会!
8
位:パリ・オペラ座チケット予約方法②
9
位:”アンサンブル・ミクスト” ニューイヤーコンサート(1月9日)
10
位:”パリ国立高等音楽院(CNSM)”入試の際の年齢制限の調べ方

検索ランキング

1位:野瀬百合子
2
位:もへじ 福袋
3
位:カルディ 福袋 2013 もへじ
4
位:カルディ 福袋 2011
5
位:フロマージュブラン 作り方
6
位:菅沼豊明
7
位:福本章
8
位:コンセルヴァトワール
9
位:カルディ 福袋 2013
10
位:イザベル カンピオン

人気記事ランキングと重なっていないのは、4つ。
第1位、前回に続き、何故か私です。
第6位の菅沼豊明さんは友人の料理人。昨年秋まで経堂のグラン・コントワーのオーナーシェフでした。新たなお店の開店を友人たちと今や遅しと待っています。
第7位の福本章さんは洋画家。友人のハーピスト、福本しのぶさんの父上です。惜しくも2011年7月に逝去されました。今年の5月に遺作展が開かれるそうです。
第10位のイザベル・カンピオンは、フランス人運動療法士。昨年11月に来日し(5回目)、フォーカル・ジストニアの方を含む演奏家を対象とする「音楽家の為の運動療法」の講座の講師を務めた。

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2013年3月 2日 (土)

「音楽家の為の解剖学講座 トライアル編」(3月3日)

明日(3月3日)は、「音楽家の為の解剖学講座 トライアル編」です。

場所は、私が不調の時の”駆け込み寺”、カイロプラクティックのR先生の診療室。
講師は、R先生。

R先生は、私が企画している“音楽家の為の運動療法”の講座にとても興味を持って下さっていて、11月に私が企画した「全ての演奏家の為の“アトリエ”」にも来て下さっています。

ですので、11月の「全ての演奏家の為の“アトリエ”」の時、イザベル・カンピオンが指導したストレッチ、一体どのように演奏家に役立つものなのか、レクチャーしていただきます。

「音楽家も自分の身体のこと知らなきゃダメだよね。」という私の呟きから実現した明日の講座、とても楽しみ!

明日の参加者は、私以外全員、管楽器奏者(フルート&クラ)。
講座「フォーカル・ジストニアからの帰還 その1」 の講師の尾上昌弘さんも参加!

評判が良ければ、他の楽器の方々の為の講座も企画したいと思っています。

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2013年3月 1日 (金)

再掲 「フォーカル・ジストニアについて、イザベル・カンピオンへの6つの質問」

4月2日に、「フォーカル・ジストニアからの帰還」という講座を開催いたします。

フォーカル・ジストニアについて、あまりよくお分かりでない方の為に、昨年11月14日の記事 フォーカル・ジストニアについて、イザベル・カンピオンへの6つの質問 を再度掲載いたします。

上記の記事には、”的確かつ簡潔なコメント参考になります。”というコメントをいただきました。
また、フォーカル・ジストニアが疑われる場合に受診する科については、”神経内科を受診されるとよいと思います。”とのアドバイスがありました。

元の記事は、こちらです。↓
http://paris-tokyo.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-081f.html

「フォーカル・ジストニアについて、イザベル・カンピオンへの6つの質問」

「フォーカル・ジストニア」って、どんな症状なのか、ご存じでない方、是非、こちらをお読みください。

演奏をされる方、そして、指導される方には是非とも知っていただきたいことです。

「フォーカル・ジストニア」のお話をすると、「ああ、腱鞘炎みたいなものね。」とおっしゃる方が多いのですが、全く違います。

次に多いお答は、「気持ちの問題でしょ?」
これも誤解です。

「指が巻いちゃうものね。」とおっしゃる方もありました。
これは、形としては、「フォーカル・ジストニア」の1つの出方ですが、「指が巻いてしまうこと」には他の原因も考えられます。
或る状況で「指が巻いてしまうこと」が起こる場合は、「フォーカル・ジストニア」であることが疑われます。

ということで、私がイザベル・カンピオンに投げかけた6つの質問を、こちらに書いてまいります。

*尚、この質問と答は、2010年7月18日のものです。

1, フォーカル・ジストニアとは何ですか?

楽器に対しての動作(ジェスチャー)を上手くコントロール出来なくなってしまう脳の混乱。 日常生活では問題がなく、楽器に対してのみ問題が起きるのが特徴である。
腱鞘炎などと違って痛みを伴わず、鍵盤楽器・弦楽器の場合は手に、管楽器の場合は口唇と手に現れる。

・腱鞘炎等と違い、痛みは伴いません。
・気持ちの問題ではなく、脳の混乱なのです。

2, フォーカル・ジストニアになると、まず最初にどういった症状が表れますか?

最初は、「何だか変だな」という程度の違和感しかない。
今までは考えずとも当たり前に出来たスケールやトゥリルが出来なくなるという状態になる。
そういった状態を練習で悪化させてから診察を受けるケースが殆どなので、フォーカル・ジストニアの患者に訊くと、「そういえば前(半年前、1年前、それ以上)からいやな感じがあった」と答えることが多い。

・オケの本番の最中に突然演奏が出来なくなったという例もあるそうです。

3, 自分がフォーカル・ジストニアかなと思ったら、まず、どうすればいいですか?

今まで出来た事なのに弾こうとしたら弾けないという場合、弾けない原因をテクニック不足と勘違いして何度も繰り返すと症状を悪化させてしまうので、練習を中止して病院に行きましょう。
(注:フランスでは、フォーカル・ジストニアの場合は脳神経内科に行くとのことです。)

・日本の場合は、整形外科なのでしょうか?
 11月3日に行われた「日本音楽家医学研究会」でお話をされたお医者様も整形外科でした。

4,フォーカル・ジストニアの治療とは、どのようなことをするのですか?

フォーカル・ジストニアとは、本来ならば出来るものに何かが加わったこと(+α)で、出来る動作が間違った行動になってしまう状態である。
つまり、「元々の動作 +α → 間違った行動」ということである。

例えば、「スケールが弾ける動作 +α → スケールが弾けない」ということになる。

“+α”が有る限り、間違った行動は改善されないので、“+α”を取り去る必要がある。
ジストニアの治療とは、“+α”を取り去る為に、「脳に正しい動作(ジェスチャー)を教え込むこと」である。

・αが加わっていない状態での動作=正しい動作
・ということは、αが加わってしまった動作は、「αが加わった問題のある動作」ということです。

5, 生徒がフォーカル・ジストニアかなと思ったら、どうすればいいですか?

まず、生徒に何が起きているのかを感じ取ること。
症状を練習不足、テクニック不足と捉えないで理解すること。
先生の役目として「目先の目標を達成させるよりも、その生徒が一生楽器を続けられるようにしてあげること」が大事。
*目先の目標とは、入試やコンクール、コンサート等のこと。

・先生に練習不足と言われて練習をし、その結果、フォーカル・ジストニアの症状を悪化させることがあります。

年齢制限がある場合などは、生徒自身が決断しにくいところがある。
先生は、見送りや留年という選択肢があることを示し、休養を勧めることが必要。
勿論、無理に弾かせてはいけない。
診察を受けさせ、将来的に目的に向かう際に助けること。

こういった例もある。
アメリカに住む中国人ピアニストはコンサートデビューが決まっていた為、フォーカル・ジストニアの症状が出ていながらもコンサートを強行した。批評は大変良く、ピアニスト自身も満足したが、その後、ピアノが全く弾けなくなってしまった。

これが本人の希望であるならば、いたしかたないことだが、アドバイスをする立場の人がいれば、別の選択が出来たのではないかと心が痛む。

6, フォーカル・ジストニアを治療中の方への注意事項を教えて下さい。
  演奏は続けて良いのですか?

楽器から全く離れてしまうのは良くない。
自転車に乗らずに自転車をこぐ動作が出来ないように、楽器に向かいながら、脳に正しい動作(ジェスチャー)を教え込む必要がある。

脳に正しい動作を教え込む事は、非常に集中力が必要とされるので、10分が限界である。それを1日に何度もする。
・エクサイズを脇で見ていても、エクサイズに集中力が必要ということがよくわかります。

理想的なのは、仕事やコンサートなどの目の前の目的は無い状態で楽器を演奏すること。

・自分に負荷のかからない曲を選ぶことや、負荷のかからない弾き方を工夫することも、必要なこと思います。

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2013年2月17日 (日)

講座 「フォーカル・ジストニアからの帰還 その1」(4月2日)

講座 「フォーカル・ジストニアからの帰還 その1」を、 4月2日(火)に開催致します。

日時:2013年4月2日(火)14時~16時
会場:渋谷区文化センター大和田 練習室3
講師:尾上昌弘(クラリネット奏者)
聞き手:野瀬百合子(コンセール・パリ・トーキョウ)
受講料:2000円(定員20名)

*申し込み受付は3月初め頃開始予定。
*申し込み方法は未定ですが、決まりましたら、こちらに掲載致します。

<講座開催に寄せて>
フォーカル・ジストニアという言葉が音楽家の間に広く知られてきた現在、最も必要なことは「フォーカル・ジストニアからの演奏復帰は可能なことである」という情報と考え、演奏復帰を果たしたクラリネット奏者、尾上昌弘氏を講師に招き、その体験を語ってもらうことに致しました。

尾上氏は、演奏復帰後の2011年に開催された「第7回大阪国際室内楽コンクール」の管楽アンサンブル部門に於いて、日本人団体の史上最高位である第3位を獲得した「木管五重奏団 アンサンブル・ミクスト」のメンバー。
そんな彼が、3年に亘ってフォーカル・ジストニアのリハビリをしながら演奏活動を続け、演奏復帰に至ったという事実は、決して少なくないフォーカル・ジストニアの方に大きな勇気を与えることになると考えております。

尾上氏は、2009年6月と2010年7月に、コンセール・パリ・トーキョウが主催したイザベル・カンピオンの講座を受講されています。
*イザベル・カンピオンは、パリの「音楽家の為のクリニック」所属の運動療法士。

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