再々再掲載「フォーカル・ジストニアについて、イザベル・カンピオンへの6つの質問」 (2012年11月14日の記事を元に)
こちらに全文載せる文章は、2012年11月14日の記事 「フォーカル・ジストニアについて、イザベル・カンピオンへの6つの質問」に少々加筆し、2016年9月 5日に再度掲載したものです。(2016年の記事を2017年にも掲載しております。)
http://paris-tokyo.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/20121114-c94c.html
最初の記事は、こちらです。
2012年11月14日の記事(加筆前の記事)↓
http://paris-tokyo.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-081f.html
以下は、2016年9月 5日の記事のコピーです。
フォーカル・ジストニアについて、あまりよくお分かりでない方の為に、2012年11月14日の記事 「フォーカル・ジストニアについて、イザベル・カンピオンへの6つの質問」 を再度掲載いたします。
上記の記事には、”的確かつ簡潔なコメント参考になります。”というコメントをいただいております。
・記事の内容は変更しておりませんが、4年が経過した今日では、日本でも、フォーカル・ジストニアが疑われる場合には、神経内科の受診が勧められるようになりました。
元の記事は、こちらです。↓
http://paris-tokyo.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-081f.html
「フォーカル・ジストニアについて、イザベル・カンピオンへの6つの質問」
「フォーカル・ジストニア」って、どんな症状なのか、ご存じでない方、是非、こちらをお読みください。
演奏をされる方、そして、指導される方には是非とも知っていただきたいことです。
「フォーカル・ジストニア」のお話をすると、「ああ、腱鞘炎みたいなものね。」とおっしゃる方が多いのですが、全く違います。
次に多いお答は、「気持ちの問題でしょ?」
これも誤解です。
「指が巻いちゃうものね。」とおっしゃる方もありました。
これは、形としては、「フォーカル・ジストニア」の1つの出方ですが、「指が巻いてしまうこと」には他の原因も考えられます。
或る状況で「指が巻いてしまうこと」が起こる場合は、「フォーカル・ジストニア」であることが疑われます。
ということで、私がイザベル・カンピオンに投げかけた6つの質問を、こちらに書いてまいります。
*尚、この質問と答は、2010年7月18日のものです。
1, フォーカル・ジストニアとは何ですか?
楽器に対しての動作(ジェスチャー)を上手くコントロール出来なくなってしまう脳の混乱。 日常生活では問題がなく、楽器に対してのみ問題が起きるのが特徴である。
腱鞘炎などと違って痛みを伴わず、鍵盤楽器・弦楽器の場合は手に、管楽器の場合は口唇と手に現れる。
・腱鞘炎等と違い、痛みは伴いません。
・気持ちの問題ではなく、脳の混乱なのです。
2, フォーカル・ジストニアになると、まず最初にどういった症状が表れますか?
最初は、「何だか変だな」という程度の違和感しかない。
今までは考えずとも当たり前に出来たスケールやトゥリルが出来なくなるという状態になる。
そういった状態を練習で悪化させてから診察を受けるケースが殆どなので、フォーカル・ジストニアの患者に訊くと、「そういえば前(半年前、1年前、それ以上)からいやな感じがあった」と答えることが多い。
・オケの本番の最中に突然演奏が出来なくなったという例もあるそうです。
3, 自分がフォーカル・ジストニアかなと思ったら、まず、どうすればいいですか?
今まで出来た事なのに弾こうとしたら弾けないという場合、弾けない原因をテクニック不足と勘違いして何度も繰り返すと症状を悪化させてしまうので、練習を中止して病院に行きましょう。
(注:フランスでは、フォーカル・ジストニアの場合は脳神経内科に行くとのことです。)
・日本の場合は、整形外科なのでしょうか?
11月3日に行われた「日本音楽家医学研究会」でお話をされたお医者様も整形外科でした。
↓
注:4年が経過した今日では、日本でも、フォーカル・ジストニアが疑われる場合には、神経内科の受診が勧められるようになりました。(2016年9月5日付記)
4,フォーカル・ジストニアの治療とは、どのようなことをするのですか?
フォーカル・ジストニアとは、本来ならば出来るものに何かが加わったこと(+α)で、出来る動作が間違った行動になってしまう状態である。
つまり、「元々の動作 +α → 間違った行動」ということである。
例えば、「スケールが弾ける動作 +α → スケールが弾けない」ということになる。
“+α”が有る限り、間違った行動は改善されないので、“+α”を取り去る必要がある。
ジストニアの治療とは、“+α”を取り去る為に、「脳に正しい動作(ジェスチャー)を教え込むこと」である。
・αが加わっていない状態での動作=正しい動作
・ということは、αが加わってしまった動作は、「αが加わった問題のある動作」ということです。
5, 生徒がフォーカル・ジストニアかなと思ったら、どうすればいいですか?
まず、生徒に何が起きているのかを感じ取ること。
症状を練習不足、テクニック不足と捉えないで理解すること。
先生の役目として「目先の目標を達成させるよりも、その生徒が一生楽器を続けられるようにしてあげること」が大事。
*目先の目標とは、入試やコンクール、コンサート等のこと。
・先生に練習不足と言われて練習をし、その結果、フォーカル・ジストニアの症状を悪化させることがあります。
年齢制限がある場合などは、生徒自身が決断しにくいところがある。
先生は、見送りや留年という選択肢があることを示し、休養を勧めることが必要。
勿論、無理に弾かせてはいけない。
診察を受けさせ、将来的に目的に向かう際に助けること。
こういった例もある。
アメリカに住む中国人ピアニストはコンサートデビューが決まっていた為、フォーカル・ジストニアの症状が出ていながらもコンサートを強行した。批評は大変良く、ピアニスト自身も満足したが、その後、ピアノが全く弾けなくなってしまった。
これが本人の希望であるならば、いたしかたないことだが、アドバイスをする立場の人がいれば、別の選択が出来たのではないかと心が痛む。
6, フォーカル・ジストニアを治療中の方への注意事項を教えて下さい。
演奏は続けて良いのですか?
楽器から全く離れてしまうのは良くない。
自転車に乗らずに自転車をこぐ動作が出来ないように、楽器に向かいながら、脳に正しい動作(ジェスチャー)を教え込む必要がある。
脳に正しい動作を教え込む事は、非常に集中力が必要とされるので、10分が限界である。それを1日に何度もする。
・エクサイズを脇で見ていても、エクサイズに集中力が必要ということがよくわかります。
理想的なのは、仕事やコンサートなどの目の前の目的は無い状態で楽器を演奏すること。
・自分に負荷のかからない曲を選ぶことや、負荷のかからない弾き方を工夫することも、必要なこと思います。
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