《「グループ講座」受講者の感想文》 ← 「私の体験が希望となれば」と
フォーカル・ジストニアからの脱却を目指し、2010年から毎年「グループ講座」を受講され、カンピオンの指導を受けてこられた長谷智子さんがお送り下さった感想文です。
*感想文とお名前の掲載、ご本人の許可を得ております。
私が右手親指にジストニアを発症したのは12年ほど前。未だ完治には至っていませんが、7年前にカンピオン先生の講座を受講し始めた前と後では、症状が軽減されただけではなく、自分のピアニストとしての人生が大きく変わったと感じています。
まず、2009年に藝大での講座を聴講して、やっと自分がジストニアという病気だと分かり(当時はまだ今ほどこの病気が知られておらず、訪ねたどこの病院でも病名の診断には至りませんでした)、それだけで随分救われたのをよく覚えています。翌年から毎年一回ずつ受講し、手と肩甲骨の正しい状態や、それを体に再認識させるためのエクササイズをたくさん教えて頂きました。全てが新しく知ることばかりで、始めの2,3年は曖昧にしか理解できず、目に見える回復にはなかなか繋がりませんでしたが、ジストニア患者対象の一日講座などで他の方のレッスンも拝見して、何度も話を聞きエクササイズをやってみるうちに、気が付くと随分弾き易くなっていました。
問題の右手親指の動かし方も、当初はカンピオン先生の仰る理想には程遠く、到底できない気がしていたのが、今では体が疲れていなくて状態の良い時にはかなりできるようになりました。まだ長時間弾き続けるとコントロール不能になってもどかしいことはありますが、正しい動きを知ったことで、実際ジストニアになる前よりも演奏の質を上げることが可能になったと実感していますし、また自分の生徒にも自信を持って教えることができるようになったのは大きな収穫です。
去年のレッスンでは、ジストニアを治す為だけでなく、より良い音を出す為の指導もして頂き、新たな一歩を踏み出せた気がしました。
もちろんいつか完治させたいと常に願っていますが、今の時点でも自分の現状と向き合いながら充分豊かな音楽生活を送ることができていますし、今となってはジストニアを患ったのは私にとって決してマイナスではなく、むしろ得たことの方が多いと自信を持って言えます。
こんな私の体験が、12年前の私がそうだったように絶望の中にいらっしゃる方々の希望となれば嬉しいです。
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