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2010年7月10日 (土)

パリ国立高等音楽院(CNSM)の新しい教育システム

7月8日に東京藝術大学で、パリ国立高等音楽院(CNSMP)の新しい教育システムについての講演会がありました。講師は、”ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 「熱狂の日」音楽祭”でお馴染みのピアニスト、クレール・デゼール(Claire Desert) さん。

友人のローラン・テシュネ(Laurent Teycheney)さんからお誘いをいただきましたので、聞きにうかがいました。

テーマは、「ボローニャ・プロセスに基づくさまざまな大学改革について」ということで、パリ国立高等音楽院(CNSM)で3年前に始まった教育制度の改革のお話でした。

フランスの音楽教育は、大学に至る勉学の教育システムとは別個のシステムを持っていたのですが、大学に近い形に移行しようとしているようです。

新しいシステムである「ボローニャ・プロセス」というのは、イタリアのボローニャで1999年に採択された「ボローニャ宣言」に基づくヨーロッパの高等教育の改革システムのことだそうです。

「ボローニャ・プロセス」は、LMD制度ともいわれます。このLMD制度については、在日フランス大使館のサイトに説明がありましたが、LはLicence、MはMaster、DはDoctorat。
http://www.ambafrance-jp.org/spip.php?article3895

大学に近い形に移行するとはいえ、パリ国立高等音楽院(CNSMP)の場合、年齢制限は入学する年の10月1日に14歳以上であり22歳未満であることとなっており、若い方々が対象です。それに対してもう一つの国立高等音楽院であるリヨン国立高等音楽院(CNSML)は、30歳未満。

以前はフランス語が出来なくても入学試験に通れば入学を許されましたが、LMD制度の導入に伴い、入学試験を受ける際に、フランス語のレベルがB1であることが必要になる為、フランス語は準備しておかなくてはならなくなったそうです。

クレール・デゼール(Claire Desert) さんがおっしゃるには、外国人がパリ国立高等音楽院(CNSMP)を受験する際に必要なのは、フランス語をしっかり勉強しておくことと、フランスでは力を入れている初見を予め勉強しておくこと。

このあたりの苦労は、”のだめカンタービレ”でも描かれているところですが。

パリ国立高等音楽院(CNSMP)のピアノ科の場合、入学試験の結果、めでたく入学出来る新入生は15人(志願者は200人以上とのこと!)と本当に少ないのですが、その半分弱が外国人ということです。しかも、授業料は無料とのこと。フランスは文化に関して太っ腹な国だと改めて思いました。

講座の後、テシュネさんの教官室での un petit Kampai に加えていただき、さまざまなジャンルの音楽家の方々にお目に掛かり、クレール・デゼールさんとも少しお話をして参りました。

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