”歌舞伎座百二十年 七月大歌舞伎”
先日、”歌舞伎座百二十年 七月大歌舞伎”夜の部に行って参りました。チケットを切って下さったのは、吉積サイモンさん。一度お話ししたいなと思うのですが、なかなかお声が掛けられません。
お弁当は歌舞伎に合わせて、和食に致しました。美濃吉の旬菜弁当、竹籠入りで涼しげです。
演目は、夜叉ヶ池と高野聖。夜叉ヶ池の百合を演じた春猿と高野聖の女を演じた玉三郎、2人の女形の演技が見物でした。儚さを感じさせる百合の透明な美しさと、凄味を隠し持つ高野聖の女の怪しい魅力。”お芝居”の世界に惹き込まれました。
夜叉ヶ池の百合には、この世とあの世を行き来しているような儚さがあり、高野聖の女には、美しさと、その裏の恐ろしい部分があります。二人共、現実には絶対に居ない”物語の中の女性”ですが、高野聖の女のインパクトは本当に強い。
歌舞伎には”悪女”が沢山出てくる気がするのですが、何故なんでしょうか?悪い男の役には、少々かわいげが感じられる部分があったりしますが、”悪女”は、とっても怖い。歌舞伎には、”女って怖いもの”っていうことをアピールする目的があったのでは?と勘ぐってしまいます。
新聞の芸能欄に、高野聖は半世紀ぶりの再演で、初演の時、水浴シーンが話題となったと書かれていましたが、なかなかスゴかったです。女は、海老蔵が演ずる旅の僧・宗朝を川に案内するのですが、水浴させるのだと思いきや、自分も一緒に水に入ってしまうんですもの!客席からも、どよめきが起こっていました。
それでも誘惑されなかった宗朝に対して、翌朝、女は「修行に励んで下さい。」と言って、きっぱり別れを告げるのですが、宗朝の方は、実は未練たらたら。女の方が一枚上なんでしょうかねぇ。
しかしながら、これを書いたのも、これを演じるのも、全て男。う~む・・・。考えると頭がこんがらがってきます。
水浴シーンも印象的でしたが、森の中の蛇の動きも、真に迫っていました。黒子の技術も、すごいなぁ。
”歌舞伎座百二十年 七月大歌舞伎”は、今日(7月31日)迄です。
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2008/07/post_27-ProgramAndCast.html
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