”アンデルシェフスキ もしかして: アンデルジェフスキ”
先々週金曜日(5月16日)に放映されたクラシックミステリー”名曲探偵アマデウス”のモーツァルト“ピアノ協奏曲 第20番”、先日、録画したものを見てみました。
演奏者について、番組サイトには”管弦楽:NHK交響楽団”としか書いていないので、「片手落ちだよなぁ・・・。」と思っていました。だって、ピアノ協奏曲でしょう?だったら、ピアニストの名前を載せるの、当然なんじゃないかしら?もしかすると、楽章ごとにピアニストを変えるとか、何人かのピアニストの演奏比較をするとか、変わった趣向があるのではないかと思いましたが、別にそういうことはなかったので、ピアニスト名を書かない理由、ちょっとわかりません・・・。
ま、そういう訳だったので、まずは、「誰が弾くのかな?」という興味で見始めました。ピアニストは、ピョートル・アンデルシェフスキ(Piotr Anderszewski)でした。この番組を見る数日前に、新聞で彼のニューCDの記事を読みましたが、その中に、コンチェルトの”弾き振り”のことが書いてありましたので、この番組も興味深く見ました。
(ニューCDに入っている”弾き振り”のコンチェルトは、ベートーヴェンの1番。モーツァルトではありません。この番組でのモーツァルトの20番、”弾き振り”ではなく、指揮者はシャルル・デュトワ。)
アンデルシェフスキの演奏は、昨年秋の”マスタークラス付きトークイベント”で聴きました。新聞記事にも、「一つのことに徹底的にこだわるタイプ」と自認しておられると書かれていましたが、そういった精神性が感じられる演奏&教え方でした。
演奏の素晴らしさで話題になるアンデルシェフスキ、別のことでも、話題に上ってしまう方なのです。お名前のカタカナ表記が何種類もあり、統一が取れないということで話題となる方。”アンデルシェフスキ”と書くのか、”アンデルジェフスキ”と書くのか、ず~っと話題になっているようですね。
そう、それで、今日のタイトルは、”アンデルシェフスキ もしかして: アンデルジェフスキ”。
”名曲探偵アマデウス”では、画面の脇に、小さな字で出たのでカタカナ表記を確認出来ませんでしたが、新聞記事は、”アンデルシェフスキ”でした。
私は、外人演奏家の記事を書く場合には、出来る限り、サイト検索をしてカタカナ表記を確かめてから書くようにしていますので、google検索したところ、”アンデルシェフスキ”で約3,000件、”アンデルジェフスキ”では約24,000件のヒット。断然、”アンデルジェフスキ”が多いのです。まあ、”アンデルシェフスキ”で検索すると、”もしかして: アンデルジェフスキ”と出ますので、そちらも調べれば良いので、問題はないとも言えますが、昨年秋の来日をきっかけに、彼の母国・ポーランドでの発音に近い”アンデルシェフスキ”という表記を使うようになったと聞いたので、なんだか割り切れない気が・・・。
外国人の名前の日本語表記については、”「検索エンジンで探せる」ということが重要だから、原語の発音にはこだわらず、日本で普及している表記に合わせればいい”という考えを述べている方がいらっしゃいました。ビジネスとしてお考えであれば、それで構わないのかもしれません。でも、ビジネスでも、ご当人に向かって、お名前を呼んで話しかけるシーンが無いとはいえません。その時に、予想外の発音で呼ばれて、ご当人がご自分のことだとわからなかったら、ビジネスでの人間関係も上手くいかないのではないかと思いますが。
名前って、とても大切なものだと思うもので、私は、なるべく原語に近い表記を心掛けております。そして、ブログに記事を書く際には、原語表記も併せて載せるように心掛けております。そうすれば、万一、カタカナ表記が間違っていても、どなたのことを書いているのか分かっていただけますので。
名前が予想外の発音になるっていうこと、日本での外国人名の発音だけのことでなく、アルファベットで書かれた日本人名の発音の場合にもあるんです。Yamadaさん、スペインで「ミスター・ジャマダ」と呼ばれて、ビックリされたそうです。”ジャマダ”と言われて、”あんた、邪魔だヨ!”って言われた気分になったとか。 やはり、ヤマダさんは、どこの国に行っても「ヤマダ」という発音で呼ばれたいと思うんです。
(Yurikoは、ジュリコでしょうか?ちょっとカッコイイと思いますが、自分の名前とは思いませんね、きっと。)
と、ここまで書いて、「千と千尋の神隠し」を思い出しました。湯婆婆に千尋という名前を奪われて、「千」という名前にされた千尋のことを。今までの名前を奪われると、人格も奪われたような気がすると思います。
自分の名前へ思いは、きっと、万国共通。呼びかけられた時に、”ご自分のことと分かる発音に近いカタカナ表記”が望ましいと、私は思っています。
これまでに書いた、外国語のカタカナ表記についての記事は、下記の3つです。
2007年3月11日 (日) ピエール=ローラン・エマール? ピエール=ロラン・エマール
http://paris-tokyo.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_4694.html
2007年4月 1日 (日) ブルマーの木管五重奏の入ったCD(アフラートゥス・クインテット)
http://paris-tokyo.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_11a8.html
2008年4月 6日 (日) ”Les liens” は、レ・リヤン? レ・リアン?
http://paris-tokyo.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/les_liens_40ae.html
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