« シュテファン・ドール ホルンリサイタル(5月14日) | トップページ | クラシックミステリー”名曲探偵アマデウス”第7回(NHKBS) »

2008年5月14日 (水)

映画「譜めくりの女」~あなたがいないと、だめになる~

今日、映画「譜めくりの女Tourneuse De Pages)」を観て参りました。渋谷での公開が終わってしまったので、銀座まで出掛けました。東京での公開は、シネスイッチ銀座(03-3561-0707)で、5月16日迄。あと2日です。

この映画、公開を知った時に、”是非、観たい!”と思ったのですが、ブログ記事にはしませんでした。何故って、これまでにブログに取り上げた映画は、「ロストロポーヴィチ 人生の祭典」と「魔笛」以外、ことごとく観られなかったからなのです。今回は、験を担いで、”行ってから書く”ということにしました。

この映画の監督のドゥニ・デルクールという方は、ヴィオラ奏者ということですが、さすが、目の付けどころが違いますね。観に行く前に、この映画について書かれているブログを検索しましたが、多くのブログに、「”譜めくり”がそんなに大事とは思わなかった。」といったことが書かれていました。それは当然のこと。音楽関係者でなければ、”譜めくり”とピアニストという特殊な人間関係に注目することはなかったと思います。
(私は、歌舞伎の世界は全くわからないので推測ですが、もしかすると、この”譜めくり”は、歌舞伎の黒子にあたるのかもしれないと思うのですが。)

この映画、アンサンブルピアニストが観たら、怖ろしくなる映画だと思います。「あなたがいないと、だめになる」というキャッチフレーズほどに、”譜めくり”を頼り切るというのは特殊な精神状態だと思いますが、「ピアニストの栄光と破滅の鍵を握る”譜めくり”」と云うキャッチフレーズは、些か大袈裟ではあるけれど、あたっていると思うのです。”譜めくり”は、居ないように振る舞わなければならないけれど、コンサートの出来を左右する大切な立場の人なのです。

ピアノを弾いている時に、”この子、大丈夫かしら?ちゃんと、譜めくり出来るのかしら?”という疑問が胸に沸き上がると、不安に駆られ、演奏に集中出来なくなるのは、本当です。かなり前の話ですが、慣れない”譜めくり”さんがビビっているのを感じたピアニストが、「貴女が怖がっていると、こっちも怖くなっちゃう。だから、間違っても良いから、すぱっと譜めくりして!」って言ったのを聞いたことがあります。かなり過激な発言ですが、その気持ち、よ~くわかります。

その”譜めくり”役のメラニーを演じるデボラ・フランソワの演技が、素晴らしかった。実に、怖かったです。

まだ、ご覧になっていない方の為に結末は書きませんが、最後、私は「ええっ?」と思いました。

譜めくりの女」のサイトは、こちらです。
http://piano.cinemacafe.net/

|

« シュテファン・ドール ホルンリサイタル(5月14日) | トップページ | クラシックミステリー”名曲探偵アマデウス”第7回(NHKBS) »

音楽」カテゴリの記事

ピアノ」カテゴリの記事

”パリ&フランス”」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 映画「譜めくりの女」~あなたがいないと、だめになる~:

« シュテファン・ドール ホルンリサイタル(5月14日) | トップページ | クラシックミステリー”名曲探偵アマデウス”第7回(NHKBS) »