代役成功で注目を集めたピアニスト アンティ・シーララ
コミック”のだめカンタービレ”の千秋真一ではありませんが、演奏家の場合、代役で注目を集めて有名になるケースがあります。
1月8日&10日に読響と共演するアンティ・シーララもその1人。彼は、2003年リーズ国際ピアノ・コンクール(3年に一度イギリスのリーズで行われるコンクール)の優勝者です。日本で有名なコンクールというと、日本企業がスポンサーになっているコンクール(チャイコフスキー・コンクールやロン=ティボー・コンクール)が多く、リーズ国際ピアノ・コンクールの日本での知名度は低いですが、ヨーロッパでは権威あるコンクールの一つとされています。そのコンクール優勝者のシーララは、実力の有るピアニストであることは疑う余地はなく、代役の機会が無くても立派なキャリアを積んできた筈ですけれども、代役というチャンスを見事にものにすることで、更に注目を集めたのは確かでしょう。
彼は、2005年にエマニュエル・アックスの代役を、2006年にエレーヌ・グリモーの代役を、共にドイツで成功させているそうです。そればかりではなく、2004年には、コンサート直前に倒れた指揮者に代わって協奏曲を弾き振りしたばかりか、後半には「ディアベリ変奏曲」を独奏するという驚異的なこともやってのけているのです!(その時のオケは、ベルギー国立管ということです。)
昨日、彼のモーツァルトを聴きました。美しい音と素晴らしいリズム。実に端正なモーツァルトでした。代役で注目された方と聞いていたので、私は派手な演奏を想像していたのですが、全く違い、内省的な演奏で、学究肌といった感じでした。彼は、1月15日には読響とバルトークのコンチェルトを共演するのですが、そちらはどんな演奏か、興味津々です。
第146回芸劇名曲シリーズ
1月10日(木) 午後7時開演 東京芸術劇場(池袋)
《オール・モーツァルト・プログラム》
指揮:ヒュー・ウルフ
ピアノ:アンティ・シーララ
モーツァルト/交響曲第28番
モーツァルト/ピアノ協奏曲第22番
モーツァルト/交響曲第41番〈ジュピター〉
第467回定期演奏会
1月15日(火) 午後7時開演 サントリーホール(赤坂)
指揮:ヒュー・ウルフ
ピアノ:アンティ・シーララ
バルトーク/ピアノ協奏曲第3番
ショスタコーヴィチ/交響曲第11番〈1905年〉
詳細は、下記サイトをご覧下さい。
http://yomikyo.yomiuri.co.jp/
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