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2007年11月27日 (火)

ドレスデン国立劇場の”ばらの騎士”(11月25日)

一昨日、ドレスデン国立劇場の”ばらの騎士”を見に、NHKホールに参りました。代々木深町から坂を上がってホールに向かいました。休日とあって、坂を上がっていくと、様々な方向から電気音響の音楽が聞こえてきます。ホールに入るまでは、オペラを見に行く雰囲気になれなかった・・・ 渋谷から公園通りを上がった方が、雰囲気的に良かったかもしれません。

久々のNHKホールでした。私が良く行くのはサントリーホールと芸劇、時々行くのが紀尾井や王子でしょうか。それらのホールに比べると、古さが目につきました。日曜日とあって、オペラ観劇用にドレスアップした方が多かったので、会場も、もう少し華やかな雰囲気が欲しかったというのが正直なところです。

開演30分位前に着きましたが、オケはピットの中で音を出していました。私は、会場に行った時にオケの音がしているの、好きです。期待が膨らむんです。ところが、不思議なことに、ピアノのコンサートの時、行った時に調律をしていると興ざめっていう気分になります。同じように音が出ているのに感じ方に大変な差があるのです。じぶんでも、どこがどう違うんだか分かりませんが・・・

会場の時計が14時57分を指した時、オケが音合わせを始めました!”ドイツ人って、真面目!”と驚きましたが、これ、伝統なのでしょうか?

客席の照明が落ち、指揮者のファビオ・ルイジが登場して、待望の”ばらの騎士”が始まりました。私、最初のフレーズも大好きなんです。ホルンの響きが堪らない。”う~ん、良いなあ”とオケを聴く気分でいたら、ほの暗い舞台に元帥夫人とオクタヴィアンが登場。この演出、良かったです。元帥夫人は、当初の予定のアンゲラ・デノケから、アンネ・シュヴァンネヴィルムスに変わっていたので、あまり期待していなかったのですが、素晴らしかった!オクタヴィアンのアンケ・ヴォンドゥングも健闘していましたし、オックス男爵のクルト・リドルは芸達者。実際には長い第1幕が、あっという間に感じました。演出は現代的と聞いていましたが、第1幕は、舞台装置も衣装も概ねクラシックでした。唯一、元帥夫人のお出掛け衣装は、現代的な黒のシンプルなドレス。

休憩は2回、30分づつ。となると、休憩時間に歩き回る場所がないのが、寂しいです。オペラの休憩は舞台転換もあるので長いですから、パリ・オペラ座のグランフォワイエのようなところがあって歩き回れると気分が良いですね。そして、優雅にシャンパンをいただく場所も欲しいです。NHKホールの場合は、飲み物やサンドウィッチを買う方々の列が出来ると、ロビーを歩くにも、真っ直ぐ歩けなくなり、蛇行しながら歩く羽目になります。飲食する場合は、人の多いところの椅子に腰掛けても落ち着けないので、会場の端の飲食コーナーに行く事になりますが、その場所が、学校の体育館みたいな感じで、ドレスアップした観客にはそぐわない。オペラの場合は、演奏会の違って休憩時間が長いので、こういうところも気になります。

第二幕の舞台は、大きなガラス窓からウィーンの街が見渡せるファーニナル家の住まい。とっても現代的。新聞記者らしき人達が、ばらの騎士のオクタヴィアンとゾフィーの写真を撮る演出も、現代的。衣装は、クラシックなものと現代的なものが混在。ばらの騎士のオクタヴィアンはクラシックな青年騎士の衣装、ゾフィーやファーニナルは今風、オックス男爵の家来達の服装はチロルの民族衣装のような革の半ズボンと統一感が感じられません。ゾフィーの森麻季さん、可憐でとても良かったですし、歌手は皆、良いのですが、衣装の統一性の無さが気になりました。

開演前も休憩時も、ピアニストのクリスティアン・ツィンメルマン氏をお見かけしました。さすが、気が付いて話しかける方も多かったようです。この休憩時には、ホルン奏者のK氏にお会いしました。ドイツ生活の長かった彼は、同門の友人がオケで吹いているので、みえたとか。「R・シュトラウスって、ここぞという時には”必ず”ホルンを使っている気がする!」と言ってしまいました。多分、他の楽器も、それぞれに良いところに使っているのだと思いますが、ホルンファンの私には、”良いところは全てホルン”に聞こえてしまうのです。仕方のないホルンファンです・・・

第三幕も第1幕と同様、音楽が始まると同時に動きが始まる演出。階段が効果的に使われていました。”?”だったのは、オックス男爵を驚かせる幽霊。というか、幽霊じゃなくって、いろんな訳のわからない人が出てきました。とりわけ、ボクサーが出るのは唐突に感じました。古典的幽霊の方が良いと思いますが。この幕の後半の元帥夫人は、最高にかっこいい。登場した時から、目が吸い寄せられてしまいます。元帥夫人、オクタヴィアン、ゾフィーの三重唱、美しかったです。衣装は、第三幕もちぐはぐな感じがしました。元帥夫人の衣装はダイアナ妃みたい、オクタヴィアンの衣装は燕尾服の様なクラシックなもの、ゾフィーの衣装はグレーで女子学生のようにシンプル。

幕切れの演出には、ちょっとガッカリ。以前ウィーンで見た幕切れが心に残っているので、他の方法がうけつけられないのかも知れませんが、やはり、元帥夫人の落としたハンカチを、元帥夫人の小姓が探しに来て、去っていくというのが良いのではないでしょうか?

幕切れの演出にはガッカリだったのですが、カーテンコールで楽しい気分を回復しました。オペラの世界から、カーテンコールという中継点を通って現実に戻ると、現実に軟着陸出来る気がします。

帰りは、公園通り側に出、期待に違わぬ素晴らしい舞台が見られた幸福感を持って帰宅しました。

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