往年の名ホルン奏者、ルシアン・テーヴェさんを偲んで
フランスの偉大なホルン奏者、ルシアン・テーヴェ(リュシアン・テーヴェ Lucien Thevet)さんが、6月30日に亡くなられたことを、一週間ほど前に知りました。心からご冥福をお祈り申し上げます。
テーヴェさんは、パリ音楽院管弦楽団の首席ホルン奏者を長く勤められた往年の名ホルン奏者です。1995年の山形の国際ホルン・フェスティバルにおいでになり、フランスのホルン奏法についてのレクチャーをされました。会場でお話をしたことがきっかけで、クリスマスカードを交換するようになりましたが、いつも美しい文字で書いたお手紙を下さっていました。
ダンディで、フランスの紳士を絵に描いたような方でいらっしゃいました。クリスマスカードに添えるお手紙に、私は、自分がその年に企画した日仏音楽交流の催しのご報告を書いておりましたが、それに対してテーヴェさんは、いつも愛情深い励ましのお言葉を下さいました。1年に1度だけの遣り取りでしたが、その温かいお手紙に勇気づけられていた私ですので、保護者を亡くしたような寂しさを感じております。
訃報を知る前夜、私は夢の中で、ラヴェルの”亡き王女の為のパヴァーヌ”のメロディーを聴きました。私の場合、夢の中に音楽が出てくることは殆どありません。それに、はっきり曲名の分かる音楽の夢なんて、”試験曲が弾けない!”という学生時代の夢以来だったので、目が覚めたとき、不思議な気持ちでした。美しいホルンソロのメロディーが心に残っている時に、テーヴェさんの訃報が入ってきたのです・・・
テーヴェさんを偲んでCDを聴きました。プーランクのエレジー。この曲は、イギリスの天才ホルン奏者、デニス・ブレインの死を悼んでプーランクが作曲した曲ですが、テーヴェさんは、この曲を作曲者プーランクと演奏しておられます。
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コメント
初めてコメントさせていただきます。いつも楽しみにblog拝見しております。フランスホルン界の至宝で一時代を築いたテーブェ氏の訃報初めて知りました。一枚だけCDがでていてよく楽しんだだけに残念です。よくあの独特なビブラートのみ語られますがホルンを美しいメロディ楽器として究め尽くしたのは彼ではないでしょうか。残念です。ご冥福をお祈りいたします。
投稿: マルセルサンバ | 2007年7月15日 (日) 14時47分
始めまして。テヴェ先生は山形の事をとても大切にしていらっしゃって、pipersの翻訳などいたしてお渡ししました。
僕にとっての「魂」そのものです。
記事に書いて頂きありがとうございました。
投稿: むっしゅえるも | 2008年9月 8日 (月) 18時50分