日本語とフランス語の質感(フランス語での”口上”)
歌舞伎パリ公演の折のフランス語での”口上”に、私はとても興味をそそられました。その理由は、私が、日本語の歌詞をフランス語に訳す”訳詞”という仕事をしたことがあるからなのです。
”訳詞”についての詳しいお話は後日書かせていただきますが、この仕事は、日本語とフランス語の質感について考える素晴らしい機会を、私に与えてくれました。具体的には、メロディーと日本語の歌詞を渡され、日本語の歌詞をフランス語に訳しながら、メロディーに乗せていくという仕事です。
日本語の子音は母音とセットですが、フランス語には独立した子音があります。子音だけの音は長く延ばせない。また、フランス語の場合、長い音符に乗せられる音は、一般的に1つの単語の中に1つしかない。だから、日本語の歌詞より早く言葉が終わってしまい、音が余ってしまうのです。
同じ意味の長い単語を探して使ったり、同じ意味のことを繰り返して言う。そんな工夫をしながら、言葉を音に嵌めていくと、出来上がりは、日本語の歌詞よりドラマティックになっていました。それも言語の特徴かもしれないと思いました。
訳詞の経験から、私はフランス語での”口上”、とても興味深く聞きました。子音だけの音、日本語にない母音といったものには、ご苦労の跡が見られましたが、”口上”らしい質感が出ており、動作にも合っていて、素晴らしかったと思います。(言葉の専門家でない私が言うのも、おこがましいですが。)
どなたが作られたものなのでしょう。プログラムには、訳者のお名前は載っていたのでしょうか?
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- 《カンピオン指導の“音楽家の為の運動療法”講座2019の参加者数のご報告》 (2019.11.04)
- カンピオン指導の“音楽家の為の運動療法”講座2019 、無事終了!(2019.10.27)
- 10/24(木)・10/25(金) に「グループ講座」を受講される方々へ(2019.10.23)
- 明日(10月21日)より、カンピオン指導の“音楽家の為の運動療法”講座2019 が始まります。(2019.10.20)
- 【グループ講座受講の方へのお知らせ・ご注意等】第2弾 ←必ずお読みください(2019.10.19)
「オペラ」カテゴリの記事
- 根本雄伯編曲ワークショップのチケット販売開始予定 → 10月16日(2017.10.12)
- ”サラ・ルヴィオン フルートリサイタル”練習開始(5月24日)(2014.05.24)
- 佐野成宏&林美智子ジョイントコンサート@軽井沢大賀ホール(5月10日)(2014.05.10)
- 昼と夜に小籠包!!(2013.06.15)
- ナントのラ・フォル・ジュルネで絶賛を博した「海」の楽譜、ネット配信開始!!(2013.05.27)
「バレエ」カテゴリの記事
- ♪56万アクセス突破♪ ← 約2か月前・・・(2013.04.09)
- 「パリ・オペラ座へようこそ ライブビューイング 2012~2013」@Bunkamuraル・シネマ(2013.02.27)
- バレエ”KAGUYAHIMÉ(かぐや姫)”再演@パリ・オペラ座(2013.01.27)
- 読響+カンブルラン(10月18日&20日)(2012.10.17)
- ♪50万5千アクセス突破♪ ← 3週間ちょっと前(2012.06.18)
「”歌舞伎パリ公演”」カテゴリの記事
- KATEIGAHO International Edition (KIE)(2007.09.11)
- ♪歌舞伎パリ公演のプログラムが届きました♪(2007.07.29)
- 本日のNHKプレミアム10は、「オペラ座の弁慶 團十郎・海老蔵 パリに傾く(かぶく)」です!(2007.06.08)
- 6月8日のNHK”プレミアム10”は、「オペラ座の弁慶」(2007.06.05)
- 3万アクセス突破(2007.05.16)
「”パリ・オペラ座公演”」カテゴリの記事
- ♪56万アクセス突破♪ ← 約2か月前・・・(2013.04.09)
- 「パリ・オペラ座へようこそ ライブビューイング 2012~2013」@Bunkamuraル・シネマ(2013.02.27)
- バレエ”KAGUYAHIMÉ(かぐや姫)”再演@パリ・オペラ座(2013.01.27)
- 「ペレアスとメリザンド」の本(2012.08.26)
- ♪50万5千アクセス突破♪ ← 3週間ちょっと前(2012.06.18)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント